SILENT LOTUS


The Story of SILENT LOTUS


―3年半お住まいになっていたバリ島で録音されたとのことですが、

ご自身の考える"バリ島"とは?お聞かせください
 神々の住む島といわれますが、信仰という伝統が、まだまだ色濃く生活の中に溶け込んでいる

ところです。音とは神である、自然とは神であるということを日々の生活行事の中で感じずには

いられません。そして、ガムランの響き合いのように、人と自然の一つ一つ、一音一音が有機的

に、影響しあいながら、バリという一つの大きな生命体を形成しているように見えます。

 


―タイトルにもなっているLOTUS/蓮が象徴するものはなんですか?

 タイトルの通り、言及するのを躊躇してしまいますが、それを象徴する言葉にあえてするとしたら、"生命"や "神聖さ"になるかと思います。ジャケットの写真の様に、時に闇は間という静寂を生み出し、生命の力をより引き立たせてくれます。それと同時に、その生命の呼吸が響きとなって"間"や空間を息づかせている姿を写す様にも感じます。
特にバリ島では一年中この蓮の花を見ることができます。
いい匂いとは言い難い泥のなかにあり、花咲く機をうかがっています。日本では一年に一度夏頃がシーズンですが、永遠に夏を繰り返す常夏の島では、この状態が維持され、バリ島を象徴するようにそこかしこで目にします。そして、沈黙の中にある生命を表現するのに、''silent lotus''という言葉が適当じゃないだろうかということになりました。



―制作された場所についてお聞かせください

 バリ島の原風景を求めて、楽器を持って、ジャングル、浜辺、泉、岬、川を廻り、古くから景色が変わらない場所に足が向いた様に思います。太陽と月が交互に入れ替わるサイクルに耳を傾けている中で、たくさんの出会いがありました。また、日々の生活の中で、petaniと呼ばれる農民がふる鍬の音、米の実りの時期に鳥達を追い払う叫び声、毎晩のように神の通り道になるガムラン隊の音色や祈りの儀式、チャナンというお供え物と祈りの日々を送る人々の日常の生活音。人間の力だけで行う豊かな生活のノイズはバリ島中どこでも見ることができました、でもそれと同じ様に、いたるところで建築の音、機械音、チェインソー、バイク、車、飛行機の音、市場や繁華街の音の嵐も耳にします。音がその混然一体なったがバリ島の今を表現していました。どの国でもそうですが、自然の音だけの静寂に出会うことは山奥にいってもむずかしいことをいつも痛感します。このバリ島という場を、耳だけでなく、同時に肌でも聴く事の重要性を感じ続けた日々でした。

 

―制作に関して印象に残るエピソードはありますか?

 今回は、夕暮れの中での出会いについて、お話ししようと思います。''Sunset crystal bay''という曲も夕暮れの浜辺で生み出されたのですが、それとは別の話をしようと思います。


周りを山に囲まれた綺麗な川や豊富な湧
水がでる小さな村でのこと。
その川の流れと豊かな木々を眺め、鳥の声に耳を傾け続け続ける中で、ちょうど夕まずめにさしかかりました。夕方はあの世とこの世を結ぶ時間などといわれますが、空気感が刻一刻と変化していきます。太陽は西に傾き、強烈な極彩色を思わせるような色を基調とした様々な色のコントラストがあり、その間に、鳥や、昼の虫たちが夕暮れのフィナーレに向かって盛り上がり始めます。一種の一団の音色のピークがすぎると次第に弱まり、次の一団が覆い被さるようにすぐ次のピークを迎えます。するとまた次が続きます。
自然のオーケストラの様な、まさにガムランそのもののような、一種一種が有機的で、まるで生命の大きな渦のようなものに促される
ようです。いままで聞いたこともないような鳴き声も多々混じり、夜の虫たちもはいってきて、空気を震わせての大合唱、エクスタシーの連続が続きます。そして、極彩飾から限りなく深い深い黒へと闇夜へむかう。......最後には、夜の虫の響だけが残っていました。言葉にしても伝えきれない強烈な体験でした。

その音の渦の中で、自身の出産体験を思い出している私がいました。このエピソードは日の出にも通じるところがありますけれど、それはまた別の機会に。一瞬の様でしたが、何時間も聞いていた様です。寄せては返す、よせてはかえす。

 

 

 

―このCDの中で、特に注目してほしいトラックはありますか? 

 Dragon wave という最後の曲ですが、先ほど紹介したエピソードの場所で出来上がった曲です。

楽器の配置やセットはその都度即興で、腑に落ちる様に並べていくのですが、その日はいつもとだいぶ違った楽器の並べ方になっていました。そして、撥を手に持ち静かに、遠くに見える右から左へと流れているはずの川とその谷間を眺めていました。

いつも皮膚が先に感じ取ります「今だ」と。叩き始めと同時に、谷間をゆっくりと白い鳥たちが列をなして、それ自体が一つの龍のように、太陽の光に照らされながら、神々しく流れていきました。その鳥達がいってしまうのと同時に、曲は終わり。自然の持つ不思議さに、尊さにただただ心が動かされました。



―こちらのCDにはいくつかの写真が収められていますが、
音での表現と写真での表現について、何か違いなどはありますか?

 音も写真もひとつのチャンネルのようなものなの、ただ根底には、Deep listeningという共通性があるように思います。後から思うと、もう少し違う写真が良かったかなと思ったりしましたが、日本の故郷の桜の写真と曲は、僕の原点なので、気まぐれで載せました。



―こちらのCDではクリスタルボウルも使用されていますが、三昧琴と
クリスタルボウルの音色について思うことがあれば。
 二つとも、響きを大切にする楽器という点では似ていると思います。クリスタルボウルはまさに振動を増幅するとてもパワフルな楽器。僕がメインで使っている三昧琴はどちらかというとベル(鐘)やガムランに近いです。大小50枚近い器を所有していますが、どれひとつとして同じ音はありませんし、性格も癖も違います。



ご自身が感じる、バリ島で演奏する際の環境由来の特徴のようなものがあればお知らせください。 

 春夏秋冬は四つの顔を見せてくれますが、バリ島は赤道直下の夏の国。草刈りをされたことがある方なら、夏場の雑草の育つ速さをよく覚えていると思います。植物は上へ上へと伸び続け、ものすごい速さで成長します。秋冬が収縮していくのにたいして、春夏は拡散です。夏の絶頂期が続きます。また、音の違いも早朝の大音量の鳥や虫達の声に起こされて気づくでしょう。演奏の際、そのパワフルな自然の影響を感じない時はありません。この暴れ馬との対話の日々だった様に思います。あの世とこの世の敷居が低い、というかまさに一体となった空間が広がっていました。


―DVDや動画を希望する方が多いと伺いましたが、今後、映像を含めた作品の制作予定などはありますか?

 今後はさらに、映像作家さんなどともより協力して、作品を作れたらと検討中です。どんなプロジェクトになるか楽しみです。



―どのような方に聞いてほしい、どのようなシーンで流してほしいと考えますか?

  私が聞く声としては、幼児施設や子どもを寝かす時に毎日使ってますとか、落ち着きたい時にや、美術館、ギャラリー、カフェなどで、またヨガ教室、サロンなどのシーンでも良く使用していただいているようです。

 

空間を味わっていただくツールのひとつ、バリからの音の彫刻のように捉えてもらえたらと思います。

All picture by YASUHITO ARAI

All photo by YASUHITO ARAI

 

 

試聴はこちらから(外部リンクのアーティストページにて聞いていただけます)

 SILENT LOTUS  CD
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SILENT LOTUS
Sound sculpture from Bali islands.
-バリ島からの音の彫刻-

1 Cherry Blossoms Yasuhito Arai 9:17
2 Crystal Vibration Yasuhito Arai 7:15
3 Lotus Drops Yasuhito Arai 3:58
4 Gift from sky Yasuhito Arai 4:53
5 Smile from water Yasuhito Arai 3:29
6 Twilight Harmony Yasuhito Arai 3:33
7 Sun set crystal bay Yasuhito Arai 6:10
8 In the void Yasuhito Arai 2:48
9 Dragon Wave Yasuhito Arai 6:04



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